名古屋めし入門 ── 味噌煮込みからひつまぶし・あんかけスパまで

豆味噌の濃いコクと独特の発想で知られる「名古屋めし」。その多くが、この街の食堂や喫茶店から生まれ育ちました。
うどんやスパゲッティ、鶏料理にいたるまで、名古屋には独自の解釈を加えた名物があふれています。
ここでは定番のメニューを、その成り立ちや特徴とともに紹介します。
名古屋の麺もの名物
味噌煮込みうどんみそにこみうどん
八丁味噌などの豆味噌で煮込む、固めでコシの強い麺が特徴のうどん。土鍋でぐつぐつと供され、仕上げに生卵を落とすのが定番。煮込んでも伸びにくいよう塩を加えずに打つ麺が、独特の歯ごたえを生む。
あんかけスパあんかけすぱ
胡椒の効いた濃いとろみのソースを、太めに茹でた麺にかけるご当地スパゲッティ。昭和30〜40年代の名古屋の喫茶・洋食店で生まれたとされ、ウインナー(ミラネーゼ)と野菜(カントリー)を合わせのせた定番「ミラカン」などの呼び名で親しまれる。
台湾ラーメンたいわんらーめん
唐辛子とニンニクを効かせた挽き肉(台湾ミンチ)をのせた辛いラーメンで、名古屋の台湾料理店「味仙」が考案したとされる。台湾には無い名古屋発祥のメニューで、辛さ控えめの「アメリカン」という頼み方も生まれた。
きしめんきしめん
幅広で薄く平たい形が特徴の麺で、つるりとしたのど越しとゆで時間の短さが身上。かつお節をたっぷり振ったあたたかいきしめんは、駅のホームの立ち食いでも親しまれる名古屋の日常食である。
ごはん・おかず・甘味の名物
ひつまぶしひつまぶし
細かく刻んだうなぎを御櫃(おひつ)のご飯にまぶした料理で、あつた蓬莱軒が名物として広めたことで知られる。そのまま、薬味とともに、出汁をかけて茶漬け風にと、一杯で三通りの食べ方を楽しむのが流儀。
手羽先てばさき
鶏の手羽先を素揚げし、甘辛いたれを絡めて胡椒や白胡麻を振った一品。「風来坊」「世界の山ちゃん」などの名店が広め、居酒屋の定番として全国に名を知られた。手で持ってかぶりつくのが王道。
味噌カツみそかつ
とんかつに甘めの味噌だれをかけて食べる料理で、串カツに味噌をつける屋台の発想が起源とも言われる。ソースではなく豆味噌ベースのたれを合わせる点が、名古屋ならではの濃厚な味わいを生んでいる。
天むすてんむす
小ぶりの海老天をご飯で包んだおにぎりで、発祥は三重県津市の店という説が有力とされる。名古屋に持ち込まれて定着し、今では名古屋名物として土産や弁当に欠かせない存在になっている。
ういろうういろう
米粉などに砂糖を加えて蒸し上げた、もちっとした半透明の和菓子。小田原など各地にもあるが、名古屋は土産菓子として広く知られ、白・抹茶・小豆などの味が並ぶ。駅売りの定番として親しまれている。
鬼まんじゅうおにまんじゅう
角切りのさつまいもを生地に混ぜて蒸した素朴な郷土菓子で、表面の芋のごつごつが鬼の角を思わせることからこの名がついた。家庭でも作られ、和菓子店やスーパーでも売られる東海地方なじみのおやつ。
よくある質問
名古屋めしをいろいろ少しずつ味わうにはどう回ればいい?
昼に喫茶店でモーニングや軽い一皿、夕方は居酒屋で手羽先をつまむなど、一食を欲張らず数軒に分けるのがコツです。きしめんや天むすは駅や売店でも小ぶりに買え、食べ歩きで品数を稼げます。
名古屋めしはなぜ味が濃いと言われるのですか?
豆味噌(八丁味噌)の文化が根づいた土地柄が背景にあるとされます。味噌だれや味噌煮込みのように、コクの強い豆味噌を主役に据える料理が多いことが、濃い味の印象につながっています。