名古屋弁を味わう ── だがや・ときんときん・やっとかめ

「やっとかめだなも」と声をかけられて、すぐに意味が分かるでしょうか。名古屋弁には、温かみのある独特の言い回しが息づいています。
語尾や独自の単語に、名古屋の人情やテンポがにじみます。
ここでは代表的な名古屋弁を、意味と使われ方から紹介します。
名古屋弁の代表的な言い回し
だがやだがや
「〜だよ」「〜じゃないか」にあたる、念を押すときの語尾。「そうだがや」のように使い、名古屋弁らしさを最も感じさせる代表格とされる。「だがね」とやわらげた言い方もあり、相手や場面で使い分けられる。
みゃーみゃー
連母音の「アイ(ai)」にあたる音が「エァ(ae)」に近く詰まって発音される、名古屋弁の音の特徴を端的に表す言葉。「赤い(あかい)」が「あけぁー」のように響き、名古屋弁を戯画化するときによく引き合いに出される。実際の会話では誇張ほど強くは出ない。
ときんときんときんときん
鉛筆の先などがきれいに鋭くとがっている状態を表す擬態語。「鉛筆ときんときんにして」のように使う。標準語に一語で置き換えにくく、名古屋らしい愛嬌のある表現として人気が高い。
えらいえらい
標準語の「立派だ」ではなく、体がつらい・しんどい・疲れたという意味で使うのが東海地方の特徴。「今日はえらかった」は「今日は疲れた」の意で、誤解を生みやすい代表的な言葉。
やっとかめやっとかめ
「八十日目(やとかめ)」が転じたとされ、「お久しぶり」を意味するあいさつ言葉。「やっとかめだなも」のように使う。市内では文化イベントの名にも採られるなど、名古屋らしさを象徴する言葉として親しまれている。
なも・だなもなも・だなも
文末に添えて丁寧さやおだやかな余韻を出す語尾で、年配の人や昔ながらの言い回しに残る。「ありがとなも」のように使い、上品な名古屋ことばの代表とされる。芝居やもてなしの場面で耳にすることがある。
よくある質問
「今日はえらいわ、手伝ってくれてありがとう」はどう受け取ればいい?
標準語話者は「えらい」を「立派・すごい」と受け取り、ほめられたと勘違いしがちです。名古屋では前半は「今日は疲れた・しんどい」の意で、後半の感謝とは別の話。労をねぎらいつつ礼を述べている場面だと読み解けます。
今でも名古屋弁はよく使われているのですか?
語尾の『だがや』などは若い世代では薄れつつありますが、『ときんときん』や『えらい』のような語は日常に残っています。世代や場面によって濃淡があるのが実情です。