金沢グルメの歴史|金沢カレー・じぶ煮・加賀野菜を出典つきで

金沢カレー、じぶ煮、加賀野菜、かぶら寿司。金沢に根づく郷土の味の由来と特徴を出典つきで解説します。
金沢の食文化は、加賀藩の武家料理として発展したじぶ煮のような伝統料理と、昭和以降に生まれたご当地グルメ「金沢カレー」の両方を持つのが特徴です。加賀野菜という食材の豊かさも、この食文化を支えています。
この記事では、金沢カレーの誕生から、じぶ煮・加賀野菜・かぶら寿司まで、金沢グルメの成り立ちを出典つきで紹介します。
金沢カレーはどのように生まれたのか
1963年までに洋食店「洋食タナカ」が確立したスタイルが、ターバンカレーを経てゴーゴーカレーで全国に広まりました。
金沢カレーの誕生―洋食タナカのスタイル
金沢カレーは、金沢市を中心とする石川県内のカレー専門店で提供される独特のカレーライスです。「カレーのチャンピオン」創業者・田中吉和が1961年に開いた洋食店「洋食タナカ」で、遅くとも1963年までに、ステンレス皿に盛り、キャベツの千切りを添え、とんかつにソースをかけて載せるという、現在の金沢カレーのスタイルが確立したとされています。
ターバンカレーからゴーゴーカレーへ
金沢カレーの店「ターバンカレー」の流れをくむ「ゴーゴーカレー」は、2003年に創業し、金沢カレーというスタイルを全国に広めるきっかけとなった店です。創業者は大の松井秀喜ファンで、店名の「ゴーゴー」は、当時の松井選手の背番号「55」にちなんで名付けられました。
じぶ煮はどんな料理なのか
鴨肉に小麦粉をまぶしすだれ麩と煮込む郷土料理で、わさびの香りが加賀野菜の旨みを引き立てます。
じぶ煮の作り方と名前の由来
じぶ煮は、小麦粉をまぶした鴨肉を、すだれ麩や季節の野菜とともに出汁・醤油で煮た石川県の郷土料理です。小麦粉のとろみが鴨肉の旨みを閉じ込め、天盛りにしたわさびの香りが全体を引き締めます。名前の由来は定説がなく、「治部右衛門」という人物の名からとする説や、「じぶじぶ」と煮える音からとする説が伝わっています。
加賀野菜とはどんな野菜なのか
1945年以前から栽培され今も金沢で作られている野菜のうち、15品目が加賀野菜として認定されています。
15品目の基準と金沢市農産物ブランド協会
加賀野菜は、1945年(昭和20年)以前から栽培され、現在も金沢で作られている野菜を対象としたブランドです。1997年に金沢市農産物ブランド協会が発足して基準が定められ、同年に10品目が認定を受けた後、2003年までに現在の15品目がそろいました。
加賀れんこんなど代表品目の特徴
認定された15品目には、粘り気の強い加賀れんこん、実の詰まった加賀太きゅうり、緑と赤紫の対比が美しい金時草など、それぞれに際立った個性があります。春のたけのこ、夏の加賀太きゅうり、秋の加賀れんこん、冬の源助だいこんというように、季節ごとの収穫時期が明確な点も特徴です。
かぶら寿司はどうやって作られるのか
かぶらでブリを挟み麹で漬け込む発酵ずしで、江戸初期から作られてきた金沢の冬の味覚です。
かぶらとブリの発酵ずし
かぶら寿司は、輪切りにしたかぶらでブリの薄切りを挟み、米麹で漬け込んで乳酸発酵させる金沢の郷土料理です。江戸時代初期にはすでに作られていたとされますが、正確な起源はよくわかっていません。麹の発酵によるまろやかな酸味と、かぶらの食感、ブリの旨みが層になって味わえます。
冬の年中行事としてのかぶら寿司
かぶら寿司は、寒ブリが揚がる12月から2月ごろにかけて仕込まれ、年末年始を彩る味として金沢の家庭に定着しています。漬け込みには数日から数週間かかり、各家庭や老舗店ごとに麹の配合や漬け込み期間が異なるため、同じ料理名でも味わいに違いが出るのも特徴です。
よくある質問
金沢カレーは他の地域のカレーとどう違う?
ルーが濃厚でドロッとしており、ご飯の上にキャベツの千切りを敷いてカツをのせ、上からソースをかける点が特徴です。フォークまたは先割れスプーンで食べる文化も、金沢カレーならではとされています。
じぶ煮はどんな場面で食べられてきた?
武家料理として始まったとする説がある一方、庶民の間でも秋冬に渡り鳥を仕留めて作られてきたと伝わり、身分を問わず親しまれてきた料理とされています。
加賀野菜は普通のスーパーでも買える?
はい。金沢市内のスーパーや近江町市場などで購入できますが、多くは収穫時期が限られる季節限定の野菜のため、一年を通じて店頭に並ぶわけではありません。
かぶら寿司はブリ以外でも作られる?
はい。サケを使った「かぶら寿司」も作られており、地域や家庭によって使う魚に違いがあります。ブリを使うものが最も広く知られていますが、必ずしもブリだけに限られた料理ではありません。
金沢では魚の「ゴリ」も食べられている?
はい。浅野川・犀川で獲れるカジカ科の川魚「ゴリ」は佃煮や唐揚げにされ、金沢では加賀料理に欠かせない川魚として古くから親しまれてきました。