金沢三茶屋街の歴史|ひがし・にし・主計町を出典つきで

最終更新: 2026-07-11

1820年の公認とひがし・にし2つの茶屋街を描いた架空のドット絵風景

ひがし茶屋街にし茶屋街主計町茶屋街は、加賀藩公認の茶屋町として生まれた金沢三茶屋街です。成立の経緯から、それぞれの町の個性、ゆかりの文人まで出典つきで紹介します。

金沢には、ひがし茶屋街・にし茶屋街・主計町茶屋街という3つの茶屋街が今も残っています。ひがし・にしの2つは1820年(文政3年)に加賀藩の公認を受けて成立し、主計町茶屋街はやや遅れて明治期に茶屋街として認められました。

この記事では、3つの茶屋街が生まれた経緯と、それぞれの町並みの特徴、そして文豪・泉鏡花にゆかりのある主計町の歴史を、出典つきで解説します。

茶屋街はいつ、どうやって生まれたのか

1820年、12代藩主・前田斉広の許しを得て、城下に点在した茶屋がひがしとにしに集められました。

1820年の公認とひがし・にし2つの茶屋街

文政3年

金沢の茶屋街は、1820年(文政3年)、12代藩主・前田斉広の許しを得て誕生しました。それまで城下に点在していた茶屋を、加賀藩公認のもと浅野川の東(ひがし)と犀川の西(にし)に集めて新たに町割りしたのが始まりです。ひがし茶屋街だけでも、最盛期には90軒あまりの茶屋が軒を連ねていたと伝わります。

出典:藩政時代からの歴史をもつ金沢の茶屋街。

ひがし茶屋街とにし茶屋街、何が違うのか

ひがし茶屋街には国指定重要文化財「志摩」が残り、にし茶屋街は文人ゆかりの小さな花街として知られています。

ひがし茶屋街の「志摩」と木虫籠格子

1820年建築・国指定重要文化財

ひがし茶屋街には、茶屋町成立と同じ1820年に建てられた「志摩」が残っています。1階には「木虫籠(きむすこ)」と呼ばれる細やかな格子が組まれ、2階は座敷として使われました。当時のまま姿をとどめる貴重な遊芸のお茶屋建築として、国の重要文化財に指定されています。

出典:国指定重要文化財 志摩

にし茶屋街と文人・島田清次郎

ひがしより小規模・犀川西岸

にし茶屋街は、ひがし茶屋街と同じ1820年に公認された茶屋街ですが、規模はひがしより小さく、犀川の西岸にひっそりとした佇まいを残しています。かつて茶屋「吉米楼」で少年時代を過ごした作家・島田清次郎ゆかりの地でもあり、その建物は現在「西茶屋資料館」として当時のお茶屋の座敷を再現しています。

出典:時代の寵児・島田清次郎を輩出した「にし茶屋街」

浅野川沿いに生まれた主計町茶屋街

主計町茶屋街は明治2年に公認された最も新しい茶屋街で、浅野川沿いの風情と泉鏡花ゆかりの坂で知られます。

主計町茶屋街の成立

1869年(明治2年)公認

主計町茶屋街は、ひがし・にしより遅れて1869年(明治2年)に茶屋街として公認されました。浅野川大橋のたもとから川沿いに続く町並みで、川面に映る木造家屋の情緒から、金沢を代表する景観の一つに数えられています。

出典:主計町 (金沢市) - Wikipedia

泉鏡花と暗がり坂

隣接する下新町が鏡花の生誕地

主計町に隣接する下新町で生まれた作家・泉鏡花にとって、主計町は小学校への通学路でした。主計町から続く石段「暗がり坂」の坂下には、鏡花の作品『照葉狂言』にちなみ「照葉さくら」と名付けられた桜が植えられており、旦那衆が人目を避けてお茶屋へ向かった当時の風情を今に伝えています。

出典:暗がり坂は主計町から泉鏡花記念館への石段坂

よくある質問

茶屋街の「お茶屋」とは飲食店のこと?

いいえ。ここでの「お茶屋」は、芸妓による歌舞音曲でお客をもてなす社交の場を指し、一般的な喫茶店や料理店とは異なります。金沢の三茶屋街では、今も現役の芸妓による「金沢おどり」などの芸事が受け継がれています。

3つの茶屋街のうち、観光客が最も多く訪れるのはどこ?

一般にひがし茶屋街が最も規模が大きく、土産物店や飲食店も多いことから、観光客の来訪が集中する傾向にあります。にし茶屋街や主計町茶屋街は、それに比べて落ち着いた雰囲気を保っています。

金沢を代表する文豪は泉鏡花のほかにもいる?

はい。金沢は泉鏡花・徳田秋声・室生犀星の3人を「金沢三文豪」と呼び、それぞれの記念館が市内に設けられています。徳田秋声は自然主義文学の作家として『あらくれ』などの作品で知られ、庶民の暮らしを見つめる筆致を得意としました。

茶屋街の建物は今も茶屋として営業している?

一部は現役のお茶屋として営業を続けていますが、多くは改装され、甘味処や雑貨店、資料館として公開されています。外観の格子や町割りは保存されたまま、内部の使われ方が時代とともに変化しています。

出典・参考

※ 由来に諸説あるものは「諸説あり」として記載しています。読み・由来は公開情報にもとづきますが、最新の情報は各出典でご確認ください。

執筆: LoreMania編集部/出典検証: 各項目に明記

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