鹿児島グルメの基礎知識|黒豚・さつま揚げ・きびなご・焼酎の由来

かごしま黒豚、さつま揚げ、きびなご、そして焼酎。鹿児島の郷土グルメには、琉球との交流や気候風土に根ざした、それぞれ独自の由来があります。出典つきで紹介します。
鹿児島の食文化は、南方(琉球)との交流や、高温多湿な気候、豊かな漁場といった土地の条件から育まれてきました。同じ料理でも他県とは呼び方や作り方が異なることも少なくありません。
この記事では、肉・魚・大豆加工品・酒という4つの角度から、代表的な鹿児島グルメの由来を出典つきで整理します。
鹿児島を代表する肉と魚
かごしま黒豚は琉球経由で伝わった歴史を持ち、きびなごは鹿児島近海でとれる、姿の美しさで知られる小魚です。
かごしま黒豚
かごしま黒豚のルーツは、約400年前に島津家が琉球から持ち込んだ豚とされます。幕末には水戸藩主・徳川斉昭が「いかにも珍味、滋味あり、コクあり、何よりも精がつく」と評したと伝わり、西郷隆盛も好んで食べたとされます。明治時代からイギリス原産のバークシャー種との交配による品種改良が進みました。
きびなご
体長10センチほどの小魚で、鹿児島近海でよくとれます。銀色に輝く姿の美しさから「黒潮の涙」とも呼ばれ、手で開いて酢味噌で食べる「きび刺し」が定番の食べ方です。天ぷらや塩焼きにしてもおいしく食べられます。
鹿児島の発酵・保存の知恵
さつま揚げは高温多湿な気候向けの保存食、薩摩焼酎は地理的表示に認定された鹿児島ブランドです。
さつま揚げ(つけあげ)
鹿児島では「つけあげ」と呼ばれ、他県では「さつま揚げ」「てんぷら」などとも呼ばれます。江戸時代に薩摩藩28代当主・島津斉彬が、紀州(現・和歌山県)のはんぺんやかまぼこにヒントを得て、高温多湿な気候に合わせ保存性を高めるため揚げ物にしたという説と、琉球料理の揚げかまぼこ「チキアーギ」が訛って「つけあげ」になったという説の2つが伝わります。魚のすり身に豆腐や地酒、砂糖を混ぜて揚げる、甘めの味付けが特徴です。
薩摩の焼酎
国税庁は、世界貿易機関(WTO)の知的財産協定に基づく地理的表示(GI)制度のもと、1995年に壱岐・球磨・琉球の焼酎を、2005年に「薩摩」の焼酎を指定しました。「薩摩」を名乗れる焼酎は鹿児島県内で生産されたさつまいも由来の本格焼酎など、一定の条件を満たすものに限られます。
よくある質問
「かごしま黒豚」はどうして「黒」なのか?
品種改良に使われたバークシャー種が、全身が黒い毛におおわれた豚だからです。現在の「かごしま黒豚」は、この黒毛の系統を色濃く残す豚として、ブランド化の基準が設けられています。
さつま揚げと「つけあげ」は同じもの?
「つけあげ」という呼び方は鹿児島県外ではほとんど知られておらず、日本全国で見れば「さつま揚げ」のほうが一般的な名前です。名前の由来の一つとされる琉球の「チキアーギ」との音の近さも、鹿児島と南方の交流を物語っています。
きびなごという名前の由来は?
銀色に輝く魚体の美しさから「黒潮の涙」と呼ばれることが由来の一つとされますが、正式な語源には諸説あり、確定した由来ではありません。
薩摩の焼酎は何から作られる?
代表的なのはさつまいもを原料とする芋焼酎です。地理的表示「薩摩」を名乗るには、鹿児島県内で採れたさつまいもを使い、県内で製造されることなど、原料の産地まで含めた条件を満たす必要があります。