「ハマっ子」の意味と由来 ― 浜っ子・はまっ子の表記も

「ハマっ子」を名乗るには、何年住めばいいのだろう。言い伝えでは、なんと「三日」。横浜には、そう言われるほど開かれた空気が流れています。
「ハマっ子」は、横浜で生まれ育った人を指す愛称。書き表し方も一つではありません。
では、いつから使われ、なぜ書き方が割れているのか。「三日住めばハマっ子」の出どころまで、順にたどります。
「ハマっ子」の意味
ハマっ子(浜っ子)はまっこ
『日本国語大辞典』第二版は「はまっこ【浜っ子】横浜で生まれ育った人」と記します。地域の辞典『横浜・ハマことば辞典』は「横浜の住人。横浜市民」とも定義し、生まれ育ちに限らず“横浜に暮らす人”まで含めてとらえます。
由来はいつから?(明治中頃)
明治中頃から
『横浜・ハマことば辞典』によれば、この言葉は明治中頃から。横浜市の市制施行は明治22年で、当時「横浜」と呼ばれた範囲は現在のごく一部、港の周辺に限られていました。同館の調べでも、当初はその界隈で生まれ育った人を指したと推定しています。
出典:国立国会図書館 レファレンス協同データベース(横浜市中央図書館)「はまっこ」の定義(『横浜・ハマことば辞典』ほか)
「浜」は横浜の略
『広辞苑』第六版は「浜」の項に横浜の略称を挙げ、用例に「―っ子」を載せます。“ハマ”は古くから横浜そのものを指す言い方で、浜っ子=横浜の子、という素直な成り立ちです。
表記のゆらぎ(ハマっ子・はまっ子・浜っ子)
ハマっ子/はまっ子/浜っ子
同じ言葉に、カタカナの「ハマっ子」、ひらがなの「はまっ子」、漢字の「浜っ子」があります。どれが正しいというより、書き手や場面で選ばれます。図書館の見出しでも「ハマッ子・ハマっ子・ハマッコ・はまっこ・はまっ子・浜っ子」と複数が並びます。
「三日住めばハマっ子」の由来
三日住めばハマっ子
「江戸っ子は三代、ハマっ子は三日住めば」――横浜ゆかりの随筆家・青木雨彦の言葉として知られます(諸説あり)。よそから来た人もすぐ仲間として受け入れる、開かれた港町の気質を言い当てた一句です。
戦後に広まった
かつては「ハマっ子」を名乗れるのは関内・関外あたりに限る、という見方もありました。広く使われるようになったのは主に戦後で、マスコミや行政を通じて定着したとされます。人なつっこさが長所である一方、移り気と評されることもあります。
よくある質問
横浜のどこで生まれたら「ハマっ子」?
特定の地域までは定められていません。図書館の調べでも「横浜のどこで生まれると『はまっこ』か」は確認できなかったとされ、いまは横浜市内で広く使われています。
江戸っ子の「三代」のような条件はある?
いいえ、決まった世代の条件はありません。むしろ新しく来た人もすぐ受け入れる空気こそが、この呼び名らしさだと言えます。