白川郷の暮らしと保存|住み続けながら景観を守る仕組み

白川郷の景観は、展示用に固定された町並みではありません。住民が暮らしを続けながら、屋根を直し、家を守り、農地や水路まで含めて景観を引き継いできた結果です。荻町の保存活動を、地域の言葉と施設から読み解きます。
荻町では、1971年に住民の保存組織が発足し、売らない・貸さない・壊さないという三原則が共有されました。世界遺産登録はその後の1995年ですが、保存の基盤は登録前から地域の暮らしの中で育てられていました。
合掌造りを守るには、茅葺き屋根のふき替えのような大きな作業も必要です。地域で助け合う「結」や、移築民家を公開する合掌造り民家園は、保存を生活と学びの両方へつなぐ仕組みです。
住み続けるための三原則
売らない・貸さない・壊さないうらない・かさない・こわさない
荻町の保存活動を象徴する三原則は、合掌造りの家を売らない、貸さない、壊さないという考え方です。観光のために住民の生活を置き換えるのではなく、住み続けることを前提に景観を守る点に特色があります。
荻町の保存組織おぎまちのほぞんそしき
白川村の保存の歩みでは、1971年に荻町の自然環境を守る住民組織が発足しました。1976年の保存地区選定、1987年の保存基金条例、1995年の世界遺産登録へと進む前から、地域が自分たちの環境を守る仕組みを作っていたことが分かります。
屋根を直す地域の力
結(ゆい)ゆい
茅葺き屋根のふき替えは、家主だけでは完結しない大仕事です。白川村の保存の説明に登場する「結」は、地域の人が作業を助け合う相互扶助の仕組み。建物を保存する技術と、人のつながりが切り離せないことを示します。
茅の備えかやのそなえ
屋根を長く維持するには、作業の日だけでなく材料の備えも必要です。白川村の資料に出てくる「ニュウ」は、束ねた茅を保管する言葉として紹介されます。景観の裏側には、材料を育て、確保し、使う循環があります。
保存を伝える二つの場所
よくある質問
保存の三原則は、どのような姿勢を示していますか?
売買や賃貸の判断を、地域の景観と暮らしに結び付ける姿勢です。
合掌造りの大きな屋根修理は、誰が担いますか?
家主だけに任せず、地域の助け合いで担います。