京都三大祭と五山送り火 ― いつ・どこで・なぜ?由来と出典つき
京都の一年は祭りでめぐる、と言ってよいほど。5月の葵祭、7月の祇園祭、10月の時代祭は「京都三大祭」と呼ばれ、夏の夜には五山送り火が街を囲みます。それぞれ、いつ・どこで・なぜ始まったのかを出典つきでたどります。
祭りは「いつ・どこで・なぜ」を知ると景色が変わります。三大祭はいずれも特定の神社の例祭で、起源も性格もまるで違います。
葵祭は王朝の優雅、祇園祭は疫病退散の祈り、時代祭は近代に生まれた歴史絵巻。五山送り火は祭りではなく、お盆の精霊を送る行事です。
京都三大祭
葵祭 あおいまつり
正式には賀茂祭。上賀茂(賀茂別雷)神社と下鴨(賀茂御祖)神社の例祭で、王朝装束の行列「路頭の儀」が都大路を進みます。起源は欽明天皇の時代、凶作と疫病を鎮めるため鴨の神を祭ったことと伝わり、葵の葉を飾ることから葵祭と呼ばれます。
祇園祭 ぎおんまつり
八坂神社の祭礼で、7月のひと月を通じて神事が続きます。起源は貞観11年(869年)、疫病退散を祈り当時の国の数にちなむ66本の矛を立てた祇園御霊会。豪華な山鉾巡行が知られ、山鉾行事はユネスコ無形文化遺産です。
時代祭 じだいまつり
三大祭で最も新しく、平安遷都1100年を機に平安神宮が創建された1895年(明治28年)に始まりました。10月22日は桓武天皇が都を移したとされる「京都の誕生日」。維新から延暦まで各時代の装束に扮した約2000人の行列が見どころです。
夏の夜に送る火
五山送り火 ござんのおくりび
祭りではなく、お盆に迎えた精霊を再び送る行事です。8月16日の夜、大文字・妙法・船形・左大文字・鳥居形が相前後して点火されます。起源には弘法大師に始まるとする説などがあり、定説はありません。
よくある質問
京都三大祭はいつ開催される?
葵祭が5月15日、祇園祭が7月(1〜31日、山鉾巡行は中旬)、時代祭が10月22日です。いずれも荒天で順延されることがあります。
祭りと五山送り火は何が違うの?
三大祭は神社の「例祭」(神事)ですが、五山送り火はお盆に先祖の霊を送る「行事」で、神社の祭礼ではありません。性格がまったく異なります。
初めてでも見やすいのは?
行列をゆっくり眺めるなら葵祭・時代祭、賑わいと迫力なら祇園祭の山鉾巡行。送り火は市内の見晴らしのよい場所から鑑賞できます。
なぜ京都には大きな祭りが多いの?
千年を超える都の歴史の中で、疫病退散や王朝儀礼、近代の記念といった時々の祈り・出来事が、祭りとして受け継がれてきたためです。