長崎市を歩く:橋・島・景観から歩く地域

長崎の橋や島の名前には、石橋を架けた僧侶の名から、海底炭鉱で働いた人々の記憶まで、長い時間の跡が刻まれている。それぞれの名前がいつ、何をきっかけに生まれたのかを見ていく。
寛永11年(1634年)に架けられたと伝わる眼鏡橋は、日本最古のアーチ型石橋とされる。一方、正式名称は端島だが通称の方が広く知られる軍艦島は、1974年の閉山まで日本有数の人口密度を誇った海底炭鉱の島だった。同じ長崎市内でも、生まれた時代も性格もまったく異なる名前が並ぶ。
この記事では眼鏡橋、中島川、稲佐山、グラバースカイロード、軍艦島、端島、長崎ランタンフェスティバル、長崎ロープウェイという8つの固有名詞を、それぞれの由来と年号から確認していく。
橋・島・景観から歩く地域:眼鏡橋と中島川
眼鏡橋は寛永11年(1634年)に架けられたと伝わる石橋、中島川はその眼鏡橋を含む石橋群が架かる市街地の川です。
眼鏡橋
眼鏡橋は寛永11年(1634年)、興福寺の住職だった唐僧・黙子如定が架けたと伝わる石橋で、日本最古のアーチ型石橋とされる。二つのアーチが川面に映って眼鏡のように見えることが名前の由来で、国の重要文化財に指定されている。昭和57年(1982年)の長崎大水害で一部が崩落したが、後に修復・復元された。
出典:眼鏡橋(長崎市公式観光)
中島川
中島川は長崎の市街地を流れる川で、眼鏡橋をはじめとする石橋群、いわゆる中島川石橋群が架かっていることで知られる。昭和57年(1982年)の長崎大水害では氾濫し、流域の石橋にも被害が及んだ。橋そのものではなく、その橋が架かる川という位置づけで眼鏡橋と対になる存在だ。
橋・島・景観から歩く地域:稲佐山とグラバースカイロード
稲佐山は標高333メートルの山、グラバースカイロードは2019年開業の斜行エレベーターです。
稲佐山
稲佐山は標高333メートル、長崎港を見下ろす市街地西側の山で、山頂からの夜景で知られる。2012年には香港で開催された「夜景サミット」で、モナコ・香港と並ぶ「新世界三大夜景」の一つに認定された。
出典:稲佐山(長崎市公式観光)
グラバースカイロード
グラバースカイロードは2019年に開業した斜行エレベーターで、坂の多い南山手の斜面市街地を上下に移動する手段として整備された。乗り物でありながら道路法上は「道路」として扱われている点が特徴で、標高333メートルの稲佐山とは規模も成り立ちもまったく異なる。
橋・島・景観から歩く地域:軍艦島と端島
軍艦島は端島の通称、端島は三菱が経営した海底炭鉱の正式名称で、指しているのは同じ一つの島です。
軍艦島
軍艦島とは、長崎港沖にあった海底炭鉱の島・端島の通称で、建物が密集したコンクリートの外観が軍艦に似ていることに由来する。昭和35年(1960年)前後には、狭い島に多くの人が暮らし、当時としては極めて高い人口密度だったことが知られている。
端島
端島は長崎港沖に浮かぶ島の正式名称で、三菱が経営した海底炭鉱で栄えた。昭和49年(1974年)の閉山とともに住民が島を離れ、以後は無人島となっている。2015年には炭鉱関連の施設が世界遺産の構成資産に登録された。「軍艦島」はこの端島の通称にあたる。
橋・島・景観から歩く地域:長崎ランタンフェスティバルと長崎ロープウェイ
長崎ランタンフェスティバルは新地中華街の春節祭を起源とする冬の祭り、長崎ロープウェイは昭和34年(1959年)開業の稲佐山へ向かう乗り物です。
長崎ランタンフェスティバル
長崎ランタンフェスティバルは、もともと新地中華街で行われていた春節(旧正月)を祝う祭りが起源で、平成6年(1994年)に現在のような市内全域を巻き込む規模へと拡大した。旧正月の時期に多数のランタン(提灯)を街に飾ることで知られている。
長崎ロープウェイ
長崎ロープウェイは昭和34年(1959年)に開業した索道で、淵神社駅から稲佐岳頂上駅までを結んでいる。旧正月の一時期だけ街を彩る長崎ランタンフェスティバルとは異なり、通年で稲佐山の夜景へ向かう手段として運行されている。
よくある質問
長崎市でこのテーマを歩く順番は?
眼鏡橋のある中島川沿いを歩いたあと、長崎ロープウェイで稲佐山に上ると、江戸初期の石橋から現代の夜景まで、時代の異なる名所を一続きに体験できる。
固有名詞は丸暗記した方がよいですか?
軍艦島と端島のように、同じ島を指す通称と正式名称がある場合は、どちらが通称でどちらが正式名称かという一点さえ押さえておけば混同しない。
出典はどこを見ればよいですか?
各項目の末尾に長崎市公式観光サイトや長崎県観光連盟、長崎ロープウェイ公式サイトなど一次情報のリンクを付けている。運行時間や料金は訪問前に公式ページで確認してほしい。